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家族間の「不動産貸し借り」が相続時の弱点に


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使用貸借,相続税

(写真=PIXTA)

「不動産の貸し借り」といえば、真っ先にイメージされるのは賃貸のアパートやマンション、あるいは一戸建ての借家の契約でしょう。しかし世の中には、その枠に入らない「使用貸借」というパターンがあります。使用貸借には、借りるためのお金を払わなくてよいといった利点がありますが、相続の際に弱点が見つかることがあります。

相続税・贈与税の税制が大幅に見直されてすでに、1年以上の時間が経過しています。当事務所も、昨年から相続関係で数多くのお問い合わせをいただいておりますが、不動産をお持ちの方からは、この使用貸借に関連したご質問をいただくことが増えています。

すでに使用貸借をしている方も、これから家族のような親しい間柄で不動産の貸し借りをする予定がある方も、使用貸借と賃貸借の違いや、税制上の仕組みについて早めに確認しておいたほうが、相続税を調整する上で有利な立場になれます。

「使用貸借」と「賃貸借」の違いとは?

ポイント1.「賃貸借」とは

貸主と借主の間に賃料の受け渡しが発生します。

一軒家を借りて住んだり、アパートのような集合住宅の一室を借りて住んだりするケースでは、建物の持ち主に賃料を払います。また、ビルの建設やビジネスの開始のために、他人の土地を借りる場合は、その地主に地代を払います。このような契約であれば「賃貸借」と呼ばれます。

ポイント2.「使用貸借」とは

建物を借りて住んだり、何か理由があって土地を借りて使ったりするという意味では賃貸借と変わりません。しかし、借主にその賃料を払わないケースがあります。このような契約であれば「使用貸借」と呼ばれます。

親子の間や兄弟の間では、ほとんどお金を払わずに家や土地を使わせてもらっているケースが実際にありますね。

実際に使用貸借していたときに、よくある相続への影響とは

使用貸借が行われている例をいちばんよく見かけるのは、やはり親子の間ですね。不動産の賃料は高額になるのが普通ですし、無料で使わせてもらえるのはやはりうれしいものでしょう。

しかし、相続が起こったときはデメリットが出てくる可能性があります。よく見られるのは、「子供に土地や建物を無料で使わせている親に、相続があった」というパターンです。

実は不動産を貸している場合、賃貸借と使用貸借とで次のように相続時の扱いが変わります。

ケース1.不動産を、第三者に対して「賃貸借」で提供していた場合

その不動産は「賃貸不動産」と解釈されます。そのため、評価額から一定額の減額を受けられます。

ケース2.不動産を、我が子に対して「使用貸借」で提供していた場合

その不動産は「自用不動産」と解釈されます。評価額がそのまま課税対象となってしまうことになります。

家族の間で、土地や建物を使用貸借するのは、金銭上のメリットがあります。しかし時間が経ってから、相続税上のデメリットが出てくる可能性があるわけですね。

使用貸借で、相続上のミスを避けるためには

使用貸借は、親子・夫婦・兄弟といった親族の間ではよく行われています。「親密な関係だったら、賃料や地代なんて不要だ」と考えるのはごく自然なことでしょう。

ただし、先のことをまったく考えずに使用貸借を続けていると、相続が起こったときに思わぬ損をすることになっても不思議ではありません。

とはいえ、相続がはじまる前であれば打つ手を考えることはできます、そのためには税理士をつかまえて妥当な方法を探すことが大切ですね。

※なお使用貸借に関しては、このほかにも相続や贈与絡みでいろいろなご質問をいただいております。次回は、また違った形で使用貸借を取り上げる予定です。ご期待ください。

奥田周年(おくだちかとし)税理士。
OAG税理士法人 資産税部部長執筆書籍は、身近な人の遺産相続と手続き・届け出がきちんとわかる本(日本文芸社:監修)、ずるいぞ!その相続(かんき出版:編著)、Q&A相続実務全書(ぎょうせい刊:共著)等多数。相続税・贈与税の専門税理士でチーム相続を組織し、メディアを主宰。

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