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首都圏マンション平均6000万円でバブル崩壊前夜と同水準に


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マンション

(写真=PIXTA)

首都圏のマンション価格の高騰が続いている。不動産経済研究所の発表によれば、2015年11月、新規発売の高級物件1戸当たり平均価格は、1991年の6月以来の6000万円を突破した。

1991年といえば、バブル崩壊前夜の価格水準である。坪当たりの販売価格は、290万円に近い水準になっており、契約率も82.1%と好調だ。好調が続くマンション市場だが、今後どうなるのだろうか。

バブルの再来か?

バブル時の価格と同じと言われても、当時を知っている人からすればピンと来ないかもしれない。当時はそれこそ日本全体が好景気に浮足立っていたが、今の日本は地方経済の衰退が激しく、好況感は当時とまったく異なる。

また当時はいわゆる「戸建派」の方が多かったため、土地市場に比べれば、マンション市場はそれほど過熱していなかったことが伺える。そのためマンション価格だけを取り出して今の不動産市場がバブル期と同じと考えるのは早計と言えるだろう。

マンション価格が上がった3つの理由

マンション価格がここまで伸長してきた理由は大きく3つある。1つ目は実需に下支えされた需要と、2つ目は相続対策、3つ目は海外投資家による投資だ。

(1)堅調な実需の伸び

1つ目の実需については、「住宅借入金等特別控除」、いわゆる住宅ローン減税による効果が出始めていることだ。消費税が5%から8%に増税される前に、駆け込み需要があったが、その後も住宅ローン減税により増税の影響が回避でき、需要の落ち込みを最小限に留めることができた。加えて、企業のボーナス額も増加傾向にあり、個人の可処分所得が増えていることも需要を後押ししている。

また24年前のバブル期と比較して、若い世帯でも共働きが増えたことも高額物件を購入できる可能性を広げている。業界関係者によれば、30代前半でも共働きの夫婦であれば、世帯年収が1500万円を超えているケースもあり、5000万~6000万円の物件をあっさり購入するパターンも多いという。1991年当時は、若年層の男性の収入は今よりも高かったかもしれないが、世帯収入としては今も負けないくらい高いということだろう。

(2)相続税対策による購入

2つ目の理由は相続対策としてタワーマンションの高層階の高価格帯物件が売れたことも影響したという要素もある。マンションの相続税評価額は、1棟全体のマンション評価額を専有面積割合で案分して決定される。

そのため下層階でも上層階でも、面積が同じであれば評価額が同じくなる。バルコニーの方位や角部屋等の条件は考慮されない。そのため高層階の条件の良い部屋であれば、市場価格と相続税評価額との間に3倍程度、価格差が開くような物件もあるのだ。

2015年1月から相続税が強化されたため、このタワーマンションの高層階が個人富裕層に飛ぶように売れた。しかしながら、このタワーマンションを利用した相続税対策について、2015年11月より国税庁か監視を強化するスタンスを公表した。

そのため、個人富裕層によるタワーマンションの高層階の購入は、今後は急速に弱含みしていくものと思料される。高額物件の価格を牽引してきただけに、2016年以降の不安材料だ。

(3)海外投資家による購入

3つ目としては中国人や台湾人を中心とした日本国内への旺盛な不動産投資が理由として挙げられる。中国や台湾では不動産価格が高騰しており、さらに円安も手伝ったことで、外国人投資家にとってみたら日本の不動産は割安に映った。

そして2014年頃から海外投資家による不動産の「爆買い」が生じ始め、日本のマンション市場の価格を牽引してきた。彼らはインフレによるキャピタルゲインを狙っている部分が大きく、購入しても、一度も住まず、空室のままマンションを放置しているような例もある。

日本不動産研究所は、2015年5月に東京港区元麻布所在のハイエンドクラスのマンション価格を100.0 とした場合の各都市とのマンション価格の指数との比較を公表している。この調査によれば、東京を100とした場合、ニューヨークの価格指数は175.8で、香港は234.9、ロンドンは330.0となっている。そのため、東京の高級マンションは、世界各国の主要都市の高級マンションと比較すれば、まだまだ安いということが言えるだろう。

今後の予想 消費税率アップ、タワマンブーム……

以上、好調が続くマンション市場の背景について見てきた。単純な実需のみでなく、相続税対策や海外投資家の動きも複雑にからみながら、販売価格が6000万円まで上昇してきたと言える。

今後の見通しについては、実需については消費税が8%のうちは、まだ堅調に推移するであろう。10%になる前に何らかの施策が講じられるかは注目に値するところである。

また相続によるタワーマンション購入は、今後は下火になる懸念は強い。ただしタワーマンションの高層階という特殊なマーケットであり、その影響は限定的となる可能性は高い。海外投資家の動きについては、中国経済に不安があり、多少の不透明感はある。しかしながら引き続き円安傾向は続くと予想され、しばらくは海外投資家による不動産購入は続くと予想される。

総じて考えると、販売戸数も順調に推移しているため、今後も当面は、マンション市場は堅調に推移すると考えて良いのかもしれない。

不動産鑑定士&中小企業診断士 竹内 英二(株式会社グロープロフィット 代表取締役)

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